入退室管理システムの選び方を考えるにあたり、そもそも何のために導入を検討しているのかを明確にした上で選ぶ必要があります。
なぜなら、入退室管理システムとひとことで言っても、その機能はサービスによって異なり、規模や目的に応じて比較するべき項目も異なるからです。

例えば、オフィスで機密情報のセキュリティ向上を目的として導入する場合、一般社員も入退室可能な執務フロア用と機密情報を管理する管理部の部屋とでは、企業のセキュリティレベルが異なりますので、従業員の役職や所属部署に応じて鍵の解錠権限を変える必要があります。

また、レンタルスペースの様に人の入れ替わりが頻繁にある場合は、時間帯を指定して鍵の権限を付与できる機能が必要になると思いますし、その権限付与の作業を簡単に行えることが重要です。

機能が増えればその分導入コストも上がりますので、何を目的として入退室管理システムを道入するのかを明確にした上で、目的に最適な入退室管理システムを道入することが理想です。

入退室管理システムの導入の共通の目的は基本的には3つだと思います。

目的1,情報漏えいを防ぐこと

入退室管理システムの基本的な目的は「情報漏えいを防ぐこと」だと思います。

情報漏えいは関係者か部外者のどちらかが機密情報を入手することで発生します

入退室管理システムを導入していないオフィスでは、誰かが会社に残っている限り、執務スペースの入り口のドアに鍵がかかっていないケースがほとんどで、部外者が簡単に侵入できてしまう状況になっています。
入退室管理システムによるオートロック機能を利用して、常に鍵がかかっている状況にすることが望ましいでしょう。

また、管理部などの機密情報を取り扱う部署の部屋が同じフロアにある場合、従業員が誰でも機密情報を入手できる状況になっています。
社内関係者であっても、履歴書など個人情報を保管してある場所への侵入は望ましい状況ではないので、管理部など一部の従業員しか部屋の鍵を開けられないように鍵の解錠権限に差をつけることが必要です。

目的2,入退室を記録すること

入退室を記録することで、万が一情報漏えいが起きた際に情報漏えいの経路、原因の特定をスムーズに行うことができます。

入退室を記録しておけば、情報漏えいが発生したと思われる時期に入退室を行った従業員を明確に特定することが可能になるからです。

手書きで管理を行うと、どうしても正確性に欠けますし、何より抜け漏れが発生するため特定が困難なケースがありますので、そのような非常事態に迅速な対応が可能となります。

目的3,管理コストを削減すること

入退室管理をアナログで行うと様々なコストがかかりますので、そのコストを削減するためにも入退室管理システムは有効です。

具体的には「物理的な鍵による管理コスト」と「入退室をアナログで記録する人的コスト」の2つのコストが削減できます。

物理的な鍵による管理コスト

物理的な鍵で管理していると、主に「人員の増加に伴う合う鍵発行のコスト」と「鍵を紛失した際の鍵の取り替えコスト」が発生します。

特に鍵紛失の際に、鍵を取り替えるコストもそうですが、その瞬間に部外者が侵入できてしまうというセキュリティ的なリスクが高まりますので、コストの問題以上にセキュリティリスクが大きいと言えます。

入退室をアナログで記録する人的コスト

入退室管理システムを導入していないと、入退室の際に手書きで入室時間と退室時間を記入し、それをエクセルに再入力して管理するというようなとても非効率な管理を行う必要があります。

当然無駄な人件費が多く発生しますし、アナログな管理では抜け漏れが発生するためセキュリティ的に万全の状態とは言えません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

入退室管理システムを導入する3つの目的を紹介させていただきましたが、もちろん今回ご紹介した内容以外にも業種や業態によって異なる目的もあるかと思います。

しっかりと、道入する目的を明確にした上で、その目的にあった入退室管理システムを導入されることをおすすめします。